【MAVIC】COSMIC SLR DISC ホイール紹介

こんにちは、高橋です。

「MAVIC(マヴィック)」のホイールをご注文いただいたのでご紹介いたします。カタログのデータだけでは伝わらないMAVICの良さをお伝えしたいと思います。

この記事を読んでいる人は既に他のホイール紹介ブログも読まれているかと思いますので、自分なりの目線で紹介をしたいと思います。

COSMIC SLR 45 DISC

前後セット 297,000円(税込)

カーボンホイール戦国時代と言いますか、もはや標準装備となったと言えるカーボンホイール全盛の時代となりました。価格の低いカーボンホイールも増えたおかげで ユーザーは一気に増えました。さらに、ディスクブレーキが主流となったことでブレーキ(リム)への懸念事項が減り、より身近な存在になりました。

10万円台で買えるカーボンホイールもあれば、50万円するようなものまであります。初手、それを「カーボンホイール」と一括りにしてしまうわけですが、同じだと思いますか?見た目は似たような雰囲気なので初心者目線では「わからん!」というのが率直なところだと思います。しかし、冷静に考えてみて欲しいのですが、世の中にある多くの製品の価格にはそれ相応の素材、技術などが使われていることがスタンダードな考えだと思います。

色々なメーカーがある中で、MAVICをオススメする理由があります。走りの良さもあるのですが、個人的には「信頼感」が大きいです。

レース一辺倒でやっていた時は、諸刃の剣のような、"扱いは繊細だがとても軽い"というホイールやパーツは好きでした。その目的に特化した究極な感じが良いですね。

MAVICのホイールを見てみるとどうでしょう?他メーカーと比べて特別に軽量なわけでもないですよね。カタログだけで見比べているとどうしても"数字上で優れたもの"をフィルタリングしがちになってしまうのですが、その選び方にちょっと待ったをかけたいのが本音です。

もちろん軽さだけが欲しいなら、ハイどうぞ。でも、その軽さはどこから?何かを犠牲にしていないか?そんな疑問も抱いて選んで欲しいと思っています。自分がそのパーツの特性を知った上で選ぶことはトラブルを避けるためにはとても大きな要素です。

良いハブは重い? 

自転車を構成する部品に不要なものがひとつもありません。特にロードバイクはその筆頭で、減らすことのできるパーツがないので、部品自体を頑張って軽くしています。 

ホイールを構成する部品は大きく分けてリム、ハブ、スポーク(ニップル)。走りの軽さを実感しやすい部分はリムと言われていて、タイヤ等も含め、回転する外周部の重量は加速性能に大きく影響します。スピードが乗り、1度慣性がついてしまえばそこそこ重量があるものの方が楽にスピードが持続できたりするので、軽ければ良い!というわけでもありません。ただ、超軽量リムの漕ぎ出しの軽さは尋常じゃなく楽しいです。

ハブの方はどうでしょう。ハブで軽量化するメーカーは結構多いです。もちろん軽い方が嬉しいのですが、大事な回転性能や耐久性を犠牲にしてまで軽くしているものがあります。

史上最強のハブと名高いGOKISOのハブがありますが、僕も1番回転性能に優れたハブだと思います。その構造はベアリングの余計な変形を減らし、極力ベアリングをスムーズに回転させるための構造です。路面が荒れていても、ダンシングなどで自転車が撓んでもベアリングが変な変形を起こさない、そんなイメージです。

世間的に軽いハブというのは華奢なので、ハブシェルや軸が撓みながら走っているんだろうなという消耗の仕方をしています。対して、ハブの評価が高いカンパニョーロ(フルクラム)、シマノ、クリスキング、ゴキソ、そしてMAVICは全体的にハブが強いなと感じさせる設計となっています。

そこに防塵性や防水性の話となると各社アプローチが変わってくるのですが、自転車の基本となる路面荒れやバイクの撓み方までしっかり思想に組み込まれているハブが高評価を得ているように思います。(最近はスルーアクスル化によって軸周辺は強化されているので、ハブシェル側で差が出るようになってきたかもしれませんね。)

簡潔にまとめると、軽量すぎて華奢なハブは断続的にベアリングの回転が著しく悪化する現象が起こりがちですよ、という感じです。実走行のような、ホイールに斜めの負荷を掛けながら回転性能をテストしているものは見たことがないので、まだデータ化に至っていない回転性能差は隠されているのだろうなと思っています。

最初の方で「信頼感」と書いた部分は、先述のハブの強さもそのひとつです。リムも同じく信頼感を感じる部分で、色々なことを頑張っているものの危ない橋は渡っていないのがMAVICらしい良い部分です。

この写真はタイヤのビードが掛かるフックを撮りました。

最近は軽量化やリムの強度アップ、そして製造の簡易性などを目的として「フックレス」が台頭してきました。それもメリットがあるので、悪くはないと思っていますが、元々はMTBの方から導入されてきた構造で、タイヤの空気圧が低いことが前提の構造だと思っています。

最近はタイヤのワイド化によってロードでも4barや5barの空気圧も当たり前になってきたのでフックレスでも問題はないのですが、細いタイヤを使用するロードバイクはやはり1番高圧であることには変わりありません。

フックレス構造には引っかかる部分がないので、空気を入れた時にタイヤが外れるか外れないかはタイヤに依存すると思っています。タイヤメーカー側がしっかりしていれば大丈夫なのはそうですが、タイヤはゴムであり、ホイールと比べると劣化が早い存在です。無くても大丈夫なんだけど、あったらやっぱり安心するよねっていうのがこのリムのフック部分。

MAVICでもグラベルやMTBではフックレス構造を採用していますが、まだロードまで完全普及させていないのはトラブルを減らしたい良心なのかなと感じるところです。

リムの話題の続きで、ようやくCOSMIC「SLR」と「SL」の違いについても触れてみます。

価格(税込) 重量(前後) リム穴 ニップル形状
COSMIC SLR 45 DISC 297,000円 1440g 無し(テープレス) アルミニウム一体型
COSMIC SL 45 DISC
198,000円 1575g 有り(TLテープ必要) 通常(真鍮)

※表が崩れる方はPCからお願いしますm(_ _)m 

簡単に言うと「高いものは良い!」というのを突きつけられるような内容です。10万円の差は小さくない金額差なのは間違いないのですが、買うのなら、数年使って行くのであればSLRを選びたいです。

最近はチューブレスタイヤを使う人が増えてきましたが、チュブレスのテープは馬鹿にできない消耗品です。場合によってはタイヤ交換の度にテープの張り替えも必要なので、手間もさることながら地味な数千円のコストが発生します。さらにカタログには含まれない数十グラムの重量増もあります。

SLRはリム穴のない形状で作ることで強度が上がっており、その分カーボンの積層を薄くできるので軽さにも貢献しているとのこと。作り手の目線としては間違いなく大変なのですが、ユーザー目線では良いことしかないなと思える内容です。

リムに直接ネジが切られているfore technology carbon®という技術で、ニップル部分の耐久性も高めながらも軽量性も実現しています。ニップルとリムの結合が強いということは、パワーロスも少ないような気がしますよね。

こうやって良い点を見ていくと、長期的にイイ感じで使えるモノだと感じさせてくれます。長く使うほど、たくさん使うほど恩恵を享受することができます。気兼ねなくガツガツ使えるレーシングホイール、という感じでしょうか。

レーシングスペックを求めた製品でありながら、実用面においてのユーザビリティも妥協しないというのがMAVICのホイールだなと思います。メンテナンスも簡単ですしね。

お買い上げありがとうございました!

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他にも店頭にてホイールの在庫もございます。

・COSMIC SLR 32 DISC (カーボン)
・KSYRIUM SL DISC (アルミ)
・ALLROAD SL DISC (アルミ)

店頭にあるこれらは全てリムのホールレス(テープ不要)のタイプで、走りの良さと使い勝手のバランスが良いおすすめのラインナップです。実はハブのアタッチメントを入れ替えればQRとスルーアクスルを切り替えることもできるので、複数の車体の使い回しなどにも優秀です。

他にも気になることなどがあればお気軽にご相談ください。

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