CHRIS KING "NoThreadset Titanium"
こんにちは、高橋です。
既に多くの方の目に触れていると思いますが、クリスキングからNoThreadsetの"Titanium"が限定生産されました。
「良いものを、正しくつくる」
クリスキングのものづくりに対する哲学は、今も昔も変わらない。
オレゴン州のポートランドの小さな工房から始まったブランドは、精密な加工技術と妥協のない素材選び、ものづくりに対するポリシーなどを通じて、世界中のサイクリストからの信頼を集めてきました。
そのヘッドセットはこれ以上の変化をもたらすことが難しいほどの完成度であり、もうすぐ50年を迎えようとする年月の中でも大きく変わってはいません。
ヘッドセット、いわゆるヘッドパーツというものはフレームとフォークの"繋ぎ目"であり、バイクの安定や操舵性を支える重要なパーツ。大きな負担がかかるその場所は自転車の中でも特に壊れやすい箇所とも言えます。
「壊れたら交換すればいい」という考えを良しとせず、世の中で発生するスクラップを少しでも減らせるように、壊れず長く使えるものを作りたいというのがクリスキングの製品に対するポリシーです。そうして出来上がったヘッドセットは、定期的にメンテナンスをしながら、長い期間使い込むことができます。
チタンの魅力
今回限定的に生産された「Titanium Headset」。
通常はアルミでも十分な堅牢さを持つKINGですが、チタンという素材はそれ以上の強度があります。
チタンの特性はスチールより軽く、アルミより強いという表現が伝わりやすいと思います。そのバランスの良さに加えて、耐食性や疲労強度にも優れることから、宇宙産業や医療機器にも使われている素材です。
そして究極的に錆びにくいその素材は、時を重ねて幾多の細かい傷を増やしながらも、非常に長い時間を共に過ごすことができます。
「一緒に歳を取る道具」として
自転車はあくまで乗り物。けれど、子供の頃から慣れ親しんだ自転車という乗り物は、いつのまにか自分の身体の延長上にあるような感覚を覚え、人によっては相棒のように思う人も多いと思います。自転車に愛着を持って長く使いたいと願う人も多いでしょう。
だからこそ信頼できるパーツを選びたい。毎日乗る人にも、休日だけな人にも、いつも変わらず自転車を支え続けてくれる。そんな存在がクリスキングのヘッドセットだと思います。
クリスキングのベアリングは分解して再グリスアップが可能な構造を採用し、製品を長く使ってもらうことを前提に作っています。大量生産でもなければ、使い捨ての消耗品でもない。「直せる」こと、「手をかけ続けられる」こともまた、"CHRIS KING"の美学です。
CHRISKINGと自分と
自分もアラフォーに差し掛かり、自分の自転車ライフの輪郭が固まってきた今日この頃。「これは一生使うだろう」と思えたのがキングのチタンヘッドセットでした。数年前に販売された際は今よりも価格は安かったのですが、その時は手を出すことができませんでした。仕上げやデザインを変えながらも、今回改めて発売の知らせが入り、意を決してオーダーしました。この時を待ち望んでいました。
でも、本音を言うと世の中に本当の"一生モノ"なんてものはないと思っています。「形あるものはいつか壊れる」のが当たり前で、長く使えることの比喩表現の最たるものが"一生モノ"だと思います。
それでも、長く連れ添うことができた時の充足感は、確かなものとして心に残ると思います。
CHRISKING "NoThreadSet 1-1/8 (Titanium)"
76,860円(税込)